労働者の生活を顧みないブラック企業は許しません。サービス残業させられる、有給休暇がとれない、パワハラされるなどに対抗しましょう。私たちは、新潟の労働組合「にいがた青年ユニオン」です。 もし記事がしばらく更新されていないなら、新潟にブラック企業を見つけていないしるしです。あなたが見つけたら、私たちに教えてください。 にいがた青年ユニオンとしての考え方、労働相談や生活相談などは、ブログ「ゆにぶろ」で紹介します。

2015年1月6日火曜日

手紙を書けるなら簡単にできます!サービス残業代を取り戻す方法

終業時間が過ぎたけど、仕事が残ってしまったから、今日のうちにやっておかなくちゃ…。
そんな「サービス残業」の体験はないでしょうか。 会社によっては、残業代を払わないことを前提に残業させるというブラック企業も。 しかし、残業をしたら必ず残業代を支払ってもらえます。それが日本のルールだからです。 では、どうやったら未払いになっている残業代を支払ってもらえるのか見ていきましょう。

<相談事例>

  • 残業しても、残業代が全然支払われません。
  • 固定残業代が最初から支払われているので、それ以上の残業代が支払われません。

1.労基署へ行きましょう

まずは、最寄りの労働基準監督署へ行きましょう。場所が分からなければ、厚生労働省のサイトで調べることができます。

 全国労働基準監督署の所在案内

そこで、「残業代の未払いの件で相談に来ました」と告げると、相談窓口に案内されるでしょう。 そこでは、自分が残業代の未払い分を支払ってもらいたいと思っていること、タイムカードのような証拠があるかどうか、給与明細が残っているかどうか、具体的にどんな働き方をしていたのかなどを説明します。
そうすると、応対者は、残業代をどう計算するか、どう請求するか、もしも払ってこなかったら等々法律的な点から説明してくれるでしょう。
あらかじめお断りしておきますが、反論される場合があります。それを聞いて、「味方になってくれなかった」とがっかりする人もいるのですが、あらかじめ会社側が反論してきそうなところを聞いているだけですので、ここはこうでした、と自分なりにきちんと説明できればよいのです。

2.手紙を書きましょう

労基署では、まずご自身で請求してくださいといわれるのではないかと思います。そこで、労基署から帰ってきたら会社に対して手紙を書きましょう。 手紙の内容のポイントは4点です。
  1. 未払いの残業代があります。
  2. 金額はいくらです。
  3. いついつまでに払ってください。
  4. いついつまでに連絡ください。
これに、どんな働き方をしていたから、こういうふうに計算したというような説明を付け加えてもよいでしょう。タイムカードが手元になければ、概算はこうだけれども、タイムカードできちんと計算してくださいと書いてもよいでしょう。サービス残業しろと上司の誰から指示されていたというのもよいでしょう。
控えは手元に残しておきましょう。

残業代の金額の計算は、細かな点はちょっと複雑ですが、基本的には、

時給×労働時間×割増率

で計算することができます。その計算方法についても労基署の相談員が教えてくれます。

3.会社と細かな点を打ち合わせましょう

手紙に対して、会社は3つの対応が考えられます。こちらの言うとおりにする場合は検討の必要もありませんので、残る2つです。

払うけれども金額について減額を求めてきた

未払い分について払いますと連絡してきたけれども、金額について減らしてくださいと言ってくる場合です。
まずは減額の主張を聞いてみましょう。それがもっともだと思うのなら、それを受け入れてよいでしょう。しかし、実際に働いていたのに働いていたことを知らなかったから払わないだとか、仕事が遅いおまえが悪いというような言いがかりの場合、次のステップに進まなければなりません。次のステップは、次の項目で説明します。
なお、日にちをもっと後ろにしてほしいとか、支払いを分割にしてほしいという場合もあります。それを受け入れるかどうかは、そのときに検討すればよいでしょう。

まったく払わないor連絡すらよこさない

全く払いませんと連絡してきたり、連絡すらよこさない場合も考えられます。この場合は、すぐに次のステップへ進む必要があります。
次のステップは、(1)労基署へ申告する、(2)弁護士に相談する、(3)労働組合を通じて交渉する、のいずれかor組み合わせになります。

労基署は最初に行った窓口になります。今度は「請求したけれども拒否されたので、指導して下さい」と申告することになります。残業代未払いがはっきりしていれば、労基署の指導でおそらく支払ってくるでしょう。

弁護士への相談ですが、知り合いに弁護士がいればお願いするとよいでしょう。誰がよいか分からないというばあいは「法テラス」を通じてもよいでしょう。弁護士に予約を入れて、残業代の支払いを求めていくことになります。ただし、費用がかかることは頭に入れておいて下さい。
労働組合を通じて交渉する方法は、個人で加入することのできるタイプの労働組合に加入して、会社に団体交渉を申し入れる方法です。このブログも、労働組合であるにいがた青年ユニオンが書いていますが、各地にいろいろな労働組合があるはずです。会社も、よほどでなければ団体交渉を拒否してくることはありません。ただし、組合費が生じることは頭に入れておいて下さい。

最後に

残業代の不払いは、誰がなんと言おうと違法です。残業代を払わない分、会社は不当にもうけをあげています。人を雇わず、従業員を長時間労働に追い込んでいるのです。これは社会にとっても重大な問題です。
残業代を支払わずに不当にもうけをあげるブラック企業は、どんどんつけあがって、しまいには従業員を過労死させてしまうでしょう。仕事に家族を殺されてしまった家族のつらさを想像してみて下さい。あなたの行動が、それを止めるブレーキになるのです。
未払いになっている残業代を取り戻すことは、手紙さえ書ければ誰にでもできます。ぜひチャレンジして下さい。